空気中のVOCの調査方法
空気の実態調査は、厚生労働省や衛生研究所、疫学や室内空気を専門とする各研究者によって行われます。この時の調査方法は大きく分けて2つ。①ターゲット(測定する物質)をあらかじめ決めて空気測定を行う方法と、②ターゲットを決めずにどのような化学物質が検出されているかを調査する分析方法です。
①前者のメリットは健康影響のリスクを評価したい化学物質の濃度が正確に分かることです。現在でも室内濃度指針値が定められているおよそ7種類程度の化学物質を調査する手法がとられていることが多いです。デメリットはそれ以外の化学物質の様子はわからないことです。
②の分析のメリットは様々な化学物質を検知することが出来ることで、測定やデータ処理が大変なのがデメリットになります。
様々な化学物質を調べるにはTVOC(トータルVOC測定が有効)
②室内空気の調査は、「TVOC(トータルヴイオーシー)」測定という方法で、揮発性有機化合物の総量を調査し、その中にどのような化学物質がどれだけ含まれているのかを定性分析によって明らかにする方法です。このような調査を通じて、特定の化学物質の成分が明らかにされています。
さまざまな調査の結果、室内から頻繁に検出される化学物質はおおよそ約100種類であることが分かっています。
代替物質・新規物質の測定が鍵
室内空気中に含まれる化学物質のうち健康リスクが高く、室内から検出される頻度が高い化学物質がシックハウスの原因物質であることが多いです。これらをいち早く調査し、新たな室内濃度指針値に追加する取組みが厚生労働省で行われています。その際に有効なのがTVOCです。このTVOC測定はシックハウス検査に大変有効です。しかし、TVOC測定を用いたシックハウス検査がなかなか行われていないのです。TVOC測定によって新たなシックハウスを防ぐことがとても大事なのです。
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