本記事のトピックスです
・TVOC測定による空気検査とは
・TVOC検査でわかること２つのこと
・測定依頼方法
この記事を書いた人
企業の研究員、大学助教を経て独立。空気中の様々な化学物質を誰でも簡単に測定可能なサンプラーを開発した空気博士。シックハウス相談を中心に、衣食住にまつわる生活環境の化学物質と環境問題の情報を発信しています。
本記事の対象者
・新築・リフォームを計画中の人
・建築中、リフォーム中の人
・シックハウスが気になる人
・家づくりに関わっている人
※お知らせ：空気分析の受注を開始しました。詳細はこちら
・今回のテーマはTVOCよるシックハウスの検査方法についてです。
TVOC測定による空気検査とは
室内中の化学物質は100種類以上を超えるといわれておりますが，シックハウス検査で調査するのはたった6種類です。しかも最近のシックハウスの原因は，上記の検査では調べることができないとお伝えしました（リンク）。様々な物質をまとめて調査出来れば，安心ですよね。その方法がTVOC測定です。
TVOC測定によってわかる2つのこと
室内空気中に気体の状態で存在する様々な化学物質をまとめて1つの吸着剤に集めて，質量分析装置で分析するのがTVOC測定です。以下の2つのことがわかります。
1つ目：空気の汚れ具合
室内空気中の化学物質が多いほど質量分析装置での検出量が多くなります。この検出量の合計値をTVOC濃度としています。TVOC濃度は何か特定の化学物質の濃度を指しているのではなく，空気中の化学物質がの量（汚れ）の割合を表しています。数値が低いほど空気は清浄ということになります。ちなみに厚生労働省ではTVOC濃度の暫定目標値（現段階で目標とすべき空気中の化学物質の汚れ具合）を400µg/m3としています。この数値を聞くと難しいかもしれませんが，汚れ具合の物差しのようなものでTVOC濃度がこれより高ければ，空気中の汚れが多めということになります。
TVOCは空気の汚れ具合の目安と考えてください。コロナ対策の密閉対策として室内のCO2濃度を1000 ppｍ以下に抑えるように換気を行うのことが推奨されています。同様に一般的な生活環境の空気の汚れ具合の暫定的な目標値として400μg/m3が設けられています。
2つ目：空気中の汚れの成分
定性分析という方法により，汚れの原因となっている化学物質の種類や性質を調べることが出来ます。実はこの定性分析がとても大事で，室内にどのような化学物質が存在しているかが分かると空気の汚れの発生の原因や健康リスクを予測することができます。TVOC測定により空気中の汚れが多く，しかも健康リスクの高い化学物質が多く検出されていることが判明すればシックハウスが発生している可能性が高いことがわかります。TVOC測定はシックハウスの原因追及に最も有効なツールです。
まとめ
・空気中の様々な物質をまとめて調査する方法
・空気の汚れ具合と汚れの成分がわかります。
空気分析のお申込みはこちらから
まずはお気軽に
