室内空気 睡眠

室内空気

睡眠の質やリラックスにも影響する室内空気

本記事のトピックスです

・睡眠の質は室内空気の質

・リラックスの質は空気の質

 

この記事を書いた人

企業の研究員、大学助教を経て独立。空気中の様々な化学物質を誰でも簡単に測定可能なサンプラーを開発した空気博士。シックハウス相談を中心に、衣食住にまつわる生活環境の化学物質と環境問題の情報を発信しています。

本記事の対象者

・新築・リフォームを計画中の人

・建築中、リフォーム中の人

・シックハウスが気になる人

・家づくりに関わっている人

 

・今回のテーマは”睡眠”。いきなり結論です。

・きれいな空気=良質な睡眠&良い目覚め&リラックス効果!!

睡眠の質は室内空気の質

室内空気は睡眠にも影響します。研究事例を2つ紹介します。まず一つ目。参考にしたのは早稲田大学のグループの研究です。https://www.jstage.jst.go.jp/article/shasetaikai/2018.6/0/2018.6_93/_pdf/-char/ja

この研究では、睡眠前に窓開け換気ありと窓開け換気無しの状態で室内の空気の汚れ具合を調べています。ちなみにこの時測定しているのが本サイトでよく取り上げるTVOCです。窓開け換気ありと無しでは、窓を開けたほうがTVOC濃度が低い傾向にあります。これは換気をすれば空気がきれいなるということを意味しています。もちろんCO2 濃度も下がります。そして窓を閉めている場合、寝る前よりも朝のほうが空気が汚れます。これも当たり前ですが閉め切っていた時間が長いほど空気が汚れるからです。

この研究では、窓開けありの方が睡眠早期の眠りが深いことや睡眠中の覚醒が減少する傾向が確認されました。また、睡眠といえば寝つきが注目されますが、目覚めも重要です。朝、窓開け換気をした場合、寝起きもすっきりとなるそうです(これは主観的な感覚だそうです)。

室内空気中の化学物質の量が少ないほどリラックス

2つ目の事例は千葉大学予防医学センターの研究です。室内空気の化学物質量とリラックスの関係を調べるという大変興味深い研究です。

リラックスってどうやって測るのですか?

脳波を測定するようですよ。なんだかマッドサイエンスの香りがしますね^^というのは冗談ですが、脳波は頭にバンドを巻いて測る方法でブレインプロという装置を使っています。いろいろな物事が数値化できる時代になってきましたね。

脳波 リラックス参考:脳波は頭にバンドを巻いて測る方法でブレインプロ。https://www.futek.co.jp/products/discon/fm-929/index.html

化学物質の濃度が低い室内環境でリラックス!!

実験は外観も内装もそっくりの実験棟(家)をで行われました(下写真)。温度や湿度、照度、騒音は理想的な状態。異なる建材を使用しているため室内空気中の化学物質濃度だけが異なっています。空気中の化学物質の濃度は79種類のVOCの合計値で評価し、濃度が低い住宅は55 μg/m3と濃度の高い住宅は3629 μg/m3と大きな差があります。被験者にはこれらの情報は伝えずに実験を行ったそうです。

論文中Fig.1 を引用

169人の健康的なボランティアによって実験が行われ、90分間の部屋に滞在してもらい、20分間の作業時間(計算や暗記)と10分間の休憩時間をもうけて、脳波を測定しました。残りの60分間は、自由にくつろいでもらいながら、アンケート記入(快適性、臭気の強さや好み、空気環境に対する印象など)を実施し、その結果、空気中の化学物質の濃度が低い部屋では76%の人がリラックスが出来て快適と感じ、その数値は濃度の高い部屋の1.2倍だったそうです。また、作業後の脳波解析結果より、濃度の低い部屋の方がα波の増加割合が1.6倍となったようです。結果として室内空気中の化学物質の濃度が低く、匂いのしない空間の方がリラックスする人が多かったという結論に至っています。

匂いがしない化学物質の濃度が低いって快適に過ごす大事な要素ですね
私もこういった研究をしてみたいと思っていました!!

詳細はプレスリリース https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000542.000015177.html

論文のご確認は→ DOI:https://doi.org/10.3390/ijerph181910246

 

まとめ

良い空気と良質な睡眠やリラックスには関係があるようです。こういったことは何となく感じていたことかもしれませんが、今回紹介した2つの研究例のように実際に数値化して評価し、裏付けが集まってくることで空気の質がますます注目されていくでしょう。空気に徹底的にこだわり良質な睡眠が得られるホテル!空気のきれいな高原で良質な睡眠を!などの睡眠のためのレジャーなどが今後注目されるかもしれません。

・きれいな空気=良質な睡眠&良い目覚め

・化学物質の濃度が低い室内環境でリラックス!!

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  • この記事を書いた人

くうきメン

空気中の様々な化学物質を誰でも簡単に測定可能なサンプラーを開発した空気博士。企業→大学助教を経て独立。シックハウス相談を中心に、衣食住にまつわる生活環境の化学物質と環境問題の情報を発信しています。

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