
レンジでマイクロプラスチックが急増
ネブラスカ医科大学の研究によれば、プラスチック製の容器を電子レンジで加熱すると、非常に多くのプラスチックの粒子が放出されることが明らかになりました。具体的には、容器1平方センチメートルあたり20億個以上のナノプラスチックと400万のマイクロプラスチックが放出されたと報告されています。
この研究では、プラスチック容器と再利用可能な食品パウチ(おそらくジップ付の保存用袋)からのマイクロプラスチックとナノプラスチックの放出を冷蔵保管、常温保管、レンジの使用などの異なる使用シナリオで調査。プラスチックの種類はポリエチレンとポリプロピレンと熱に強く、よく使われているものです。
これまでの研究と比較するとマイクロプラスチックの発生量がかなり多く見積もられている可能性がもありますが、驚きの多さです。
常温保存でもマイクロプラスチックが生成
電子レンジだけでなく。6か月以上の冷蔵や常温保存も大量のマイクロプラスチックとナノプラスチックを放出されていることが確認されています。
ということは保管期間が長い容器ではマイクロプラスチックやナノプラスチックが生成していることになります。しかもポリエチレンベースの食品パウチは、ポリプロピレンベースの食品パウチよりも多くの粒子を放出することが確認されています。
まとめと感想
このようなデータを考えると、思っている以上に私たちが日常で使っているプラスチック製の容器から発生するマイクロプラスチックやナノプラスチックは多そうです。電子レンジの使用方法について少し慎重に再考の余地があることがわかります。特に、子供や赤ちゃんの食事に関しては、出来るだけ陶器やガラス製の容器を使用すると良さそうです。マイクロプラスチックの影響は明らかになっていませんが、体内に入り込み影響を与える可能性が高いという報告もあります。https://fsi-mp.aori.u-tokyo.ac.jp/2020/08/4.html
今後の研究で、これらの微細なプラスチック粒子が人体に及ぼす影響が明らかにされることが期待されますが、それまでは予防の観点から、適切な容器の選択や使用方法に気を付けることが必要となります。
参考文献と紹介記事は以下です。
論文:『Assessing the Release of Microplastics and Nanoplastics from Plastic Containers and Reusable Food Pouches: Implications for Human Health』American Chemical Society
紹介記事:https://www.sciencedaily.com/releases/2023/07/230720124925.htm
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