呼吸から吸引されるプラスチックの量
近年、マイクロプラスチックが我々の体に取り込まれることが明らかになってきました。体に摂取するルートとしては、飲み物、食べ物、そして空気が考えられます。これらの微小プラスチックの粒子は、海、大気、土壌に何百万トンもの量になると推定されています。これらの微小プラスチックは、プラスチック製品の分解、消費者製品、タイヤの摩耗、産業の破綻などから生成されます。
実はこの中で空気を通じてのマイクロプラスチックの摂取が最も多いと言われています。
クレジットカード1枚分も空気から摂取
1時間当たり約16.2個のマイクロプラスチックが体に取り込まれ、1週間になるとクレジットカード1枚分のプラスチックが体内に入っていると言われています。もちろんすべてが蓄積するわけではありません。呼気から排出されるもの。便と一緒に体から排出されるものもあります。
マイクロプラスチックの吸引による健康影響
2022年に初めて、人の気道で微小プラスチックが発見されたことから、呼吸器系にマイクロプラスチックが付着していることが考えられます。微小プラスチックは有毒な汚染物質などの化学物質を吸着する性質がありますので、吸入された微小プラスチックから、呼吸器系に深刻な健康リスクを引き起こす可能性があります。
鼻に留まりやすいプラスチック
最新の研究事例では以下が明らかとなっております。
- 鼻腔での微小プラスチックの沈着率は、
気管や他の部位に比べて高い。
シミュレーションの結果、マイクロプラスチックは鼻に残りやすいということです。もしかするとアレルギー性の鼻炎などの原因の一つとなっている可能性も考えられます。もちろん、呼吸器系、鼻腔、気管・気管支、肺の深部に沈着し、何かしらの影響がでる可能性があります。
これまで、黄砂やPM2.5などさまざま微粒子の影響が考えられてきましたが、マイクロプラスチックと化学物質の複合影響については今後も注視していく必要があると思われます。プラスチックの使用量の増加に伴い、大気中のマイクロプラスチックも増加している可能性があるからです。
海だけでなく、大気のマイクロプラスチックも深刻な課題となる可能性があります。
引用文献:https://doi.org/10.1063/5.0150703 How microplastics are transported and deposited in realistic upper airways? Mohammad et al(2023)
まとめ
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- 人間は、毎時約16.2の微小プラスチックを吸入する可能性があり、これは1週間でクレジットカード1枚分に相当する。
- 近年、微小プラスチックの粒子が初めて下部気道で追跡され、呼吸器の健康への長期的な微小プラスチックの曝露の懸念が増大している。
- 鼻腔での微小プラスチックの沈着率は、気道や他の部位に比べて高い。
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