シックハウス検査

本記事の結論:空気検査にはTVOC測定をお勧めします

新築・リフォームの最大のリスクであるシックハウス症候群を無料で簡単に防ぐ方法は完成時の空気測定です。空気測定といっても測定方法はいろいろあります。中でもTVOC(トータルVOC測定)こそが空気測定の最適解です。室内に気体で存在している化学物質をまとめて検出し、空気の汚れ具合と主な成分を知ることができる方法です。

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本記事のトピックスです

・一般的なシックハウス検査

・一般的なシックハウス検査の穴

・TVOC(トータルVOC測定)こそが空気測定の最適解

 

この記事を書いた人

企業の研究員、大学助教を経て独立。空気中の様々な化学物質を誰でも簡単に測定可能なサンプラーを開発した空気博士。シックハウス相談を中心に、衣食住にまつわる生活環境の化学物質と環境問題の情報を発信しています。

本記事の対象者

・新築やリフォームを予定している人

・建築中、リフォーム中の人

・シックハウスかも?っと気になっている人

・家づくりに関わっている人

こんにちは。今回は「目にみえない空気の検査方法」がテーマです

一般的なシックハウス検査

室内中の化学物質は100種類以上を超えるといわれておりますが,一般的なシックハウス検査で調査するのはたった6種類です。

①ホルムアルデヒド ②トルエン ③エチルベンゼン ④キシレン ⑤スチレン ⑥パラジクロロベンゼンです。

これらは室内濃度指針値が定められおり、健康リスクが高く、シックハウスが社会問題となっていた2000年前後では室内から頻繁に検出されていました。

しかし!!

これらに室内濃度指針値が設けられ、建材に使用されることはほとんどなくなりました。結果として空気検査を行っても室内濃度指針値を超過することは滅多になくなりました。

 

一般的なシックハウス対策の穴

シックハウス症候群の発生はピーク時よりは減少していますが解決には至っていません。室内濃度指針値対象物質の代替物質が原因で新たなシックハウス問題が起きているからです。

つまり、シックハウス検査で問題のない場合でも、他の化学物質が原因でシックハウス症候群が発生するということです。しかも、世の中のシックハウス対策という意味のほとんどは シックハウス検査対象の6物質の対策を行っているという意味です。裏を返せばシックハウス対策をしていない住宅はない!ということになります。

 

 

測定にはTVOC測定が有効な理由

真のシックハウス対策とは「室内に発生している化学物質を把握している」、「建材から発生する化学物質を把握している」ということになります。それらに有効な測定方法がTVOC測定です。空気中の気体で存在する化学物質(VOC)をまとめて(トータルして調べる方法なのでTVOCといいます。

この方法では主に以下の2つが分かります。

①空気の汚れ具合

室内空気中の化学物質が多いほどTVOC濃度の値が高くなります。

TVOC濃度は何か特定の化学物質の濃度を指しているのではなく,
空気中の化学物質がの量(汚れ)の割合を表しています。

数値が低いほど空気は清浄ということになります。

ちなみに厚生労働省ではTVOC濃度の暫定目標値(現段階で目標とすべき空気中の化学物質の汚れ具合)を400µg/m3としています。

つまり、TVOCとは
汚れ具合の物差しのようなものです。TVOC濃度がこれより高ければ,
空気中の汚れが多めということになります。


TVOC濃度が高いとシックハウスになりやすいというわけではありません。あくまで汚れの目安です。

 

②空気中の汚れの成分

定性分析により空気中の主な化学物質の種類や性質を調べることです。

実はこの定性分析がとても大事で,室内にどのような化学物質が存在しているかが分かると発生の原因や健康リスクを予測することができます。


空気中の汚れ成分が分かれば、対策が可能です。この定性分析がTVOCのポイントです。

 

まとめ

真のシックハウス対策はTVOC測定

TVOC測定により「空気の汚れ具合」と「原因物質の特定」が明らかになります。

TVOC測定はシックハウスの原因追及に最も有効なツールです。

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